人工股関節置換術
いざ手術となったら
その準備は?
股関節痛の解決手段として人工股関節手術を行う場合どんな準備が必要なのでしょうか?
今回は手術の準備について術前外来のスケジュールや入院費用などを解説します。
(手術や術後の内容を除く)術前の皆さんの疑問 TOP3
・準備期間はどのくらい?
・準備として何をする?
・費用はどのくらい?
1つずつご説明していきましょう。
術前の準備期間について
人工股関節の手術は
手術が決まっても
「じゃあ明日やりましょう」
とはなりません。
実際のところ
手術に向けた準備期間は
「3週間から1ヶ月くらい」
と、お話ししています。
患者さんの状態や
手術内容、
入院病床、
手術室の状況次第で
最短1週間でも
手術は可能だと思います。
ですが、
適切な 安全確保
=適切な 術前準備
=適切な 術前評価 のためには
手術に向けた準備期間として
「3週間から1ヶ月くらい」
になるのが現実です。
当院では
初診日であっても
これまでの治療経過や
受診当日の検査結果次第で
人工関節手術治療を
お勧めする場合があります。
では、手術の準備をするとなると
どんなことを
準備としてするのでしょうか?
準備として何をする?
準備のとして実施することは
主に以下の3つです。
・術前検査
・手術説明とそれに対する同意
・貯血
それぞれ解説します。
「術前検査」では
手術を受ける患者さんの
カラダが全身麻酔手術を
受けられる状態か、
人工関節を設置する部位の骨が
どのような状態か、
検査します。
具体的には
・胸部レントゲン
・心電図
・血液検査
・尿検査
・呼吸機能検査
・股関節〜下肢CT
・骨密度検査(DXA法)
を通常1日で受けていただきます。
「手術説明とそれに対する同意」では
ご本人に実施する手術の内容について、
手術の方法
手術のメリット(効果)
手術のデメリット(合併症)
麻酔の方法
麻酔のデメリット(合併症)
輸血の可能性
自己血輸血について
お話しさせていただき、
説明同意の書類にサインをいただいています
※手術の方法については別のブログで
紹介しています。
サインをいただく書類については
術前検査の際など
実際にサインをいただく日よりも前に
お渡しして、
お家でゆっくり目を通して
いただくようにしています。
「貯血」については
手術の出血に対する
同種血による輸血リスクを
最小限にするために
手術の準備として実施しています。
同種血による輸血とは
いわゆる輸血のことで
どなたかが、どこかで
献血してくれた血液を
治療に用いる輸血のことです。
同種血による輸血を受ける場合
どんなに気をつけても
感染症伝播のリスクや
アレルギー反応のようなリスクを
0にすることはできません。
緊急ではない
待機的な計画手術として
ご自身の血液で、ご自身用の輸血を
準備する方法が「貯血」です。
当院で実施する人工股関節では
この「貯血」を基本としています。
費用について
人工股関節置換術の手術で
入院手術費用が
どのくらいかかるか?
この金額は
ご本人の加入する健康保険の
「高額療養費」の制度の説明を
読まれるのが一番分かりやすいと
思います。
両側股関節の手術か
片側股関節の手術か
入院期間がいつで
入院日数がどのくらいか?
などの条件から
およその概算が出せるのですが
高額療養費の計算式に入る
医療費(10割分)については
当院での通常入院期間での
人工股関節置換術の場合
150〜300万円近くの場合があります。
この金額が支払い金額ではなく
年齢や所得区分ごとの計算式に入れて
高額療養費の支払い額が決まるので、
通常の3割負担だから、いくらだ、
と言う金額にはなりません。
概算を知りたい方には
外来受診の際に会計窓口で
ご案内させていただいておりますし
ご本人の加入する健康保険の
「高額療養費」制度の説明を
一読されとくとよろしいかと思います。
よく先生に話しを聞いてみましょう
人工股関節手術を受けるにあたっては
さまざまな疑問がわくことだとおもいます。
専門医の診察を受けて
いろいろ話しを聞いてみるのが
一番です。
横浜町田関節脊椎病院
院長 宮島玄陽
股関節の診察を予約
「股関節の痛み」を理由に
初めて受診するときは
股関節外来をご予約いただくと
スムーズです。
痛みの原因が「関節」なのか
分からないときも
股関節外来をご予約
いただければ対応いたします。
ネット予約では問診やご要望を
あらかじめ入力できるので
是非ご活用ください。
初めての診察時には
股関節の症状、経過をお聞きする
だけでなく、
持病について
常用薬の内容をお聞きしたり、
これまで受けたことのある
健康診断の結果をお聞きします。
お薬手帳や検査結果なども
ご持参頂くとスムーズです。